Arai Koh's Create Life

シナリオライター&ゲームライター・アライコウのブログ。創作、新旧の商業・インディーノベルゲームなどについて書きます。

フリー・同人ノベルゲームは人気クリエイターの足跡を刻む歴史的資料でもある

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 個人や小規模サークルの制作したフリー・同人ノベルゲームは、ずいぶん昔からあるわけですが、家庭用PCやインターネットが広く市民の間に普及した、2000年頃のいわゆるIT革命を契機として、その数を爆発的に増加させました。今も人気のノベルゲーム制作ツールNscripterや吉里吉里/KAGが誕生したのもこの頃です。

 それから20年近くが経ちました。多くのアマチュアに創作の楽しみを教えたフリー・同人ノベルゲーム制作ですが、のちにプロのクリエイターとなった人も多くいます。その代表とも言える『月姫』の武内崇・奈須きのこの両氏や『ひぐらしのなく頃に』の竜騎士07氏は、デビュー作がいきなり人気作になり現在の地位をも確立したようなケースですが、「特別話題にはならなかったけれどあの人が実はこんな作品に参加していた」というケースも少なくありません。
 たとえばNaGISAさん(@NaGISA1770)制作の短編フリーノベルゲーム『弥生桜の空に笑え!』という作品。リリースは2009年です。

www.freem.ne.jp

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 キャラグラフィックを担当したのは、現在人気原画家・イラストレーターとして知られるおりょうさん(@oryo)。代表作にMF文庫Jのライトノベル『僕のカノジョ先生』などがあります。ポップカルチャーの第一線で活躍する絵師100名を集める展覧会「絵師100人展」に参加したこともあります。

僕のカノジョ先生 (MF文庫J)

僕のカノジョ先生 (MF文庫J)

 

 現在の絵柄とはずいぶん違いますが、イラストレーターの絵柄が上達に伴い変わっていくのは自然なことです。
 何を言いたいかと言えば、こうした名もなきフリー・同人ノベルゲームに、現在プロとなった人気クリエイターの足跡が刻まれていることがあるということです。
 インターネット時代に突入したと同時に、数多のアマチュアゲームが生まれましたが、決して短くない年月を経た今、それらは歴史的資料としての側面も帯びつつある……そう私は考えています。この先さらに10年20年が経てば、よりその価値は高まるでしょう。

 ちなみにこの『弥生桜の空に笑え!』は、これから受験シーズンの高校生にピッタリな作品。受験生の人たちは、勉強の合間にプレイしてみるといいんじゃないでしょうか。