Arai Koh's Create Life

シナリオライター&ゲームライター・アライコウのブログ。創作、新旧の商業・インディーノベルゲームなどについて書きます。

フリーゲームの世界は優しさで満ちていてほしい

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 2005年から続いていたフリーゲームコンテスト「ふりーむ!ゲームコンテスト」が、このたび終了することが発表されました。

 このコンテストは多くの才能の受け皿になっていました。ノベル・アドベンチャーゲームに絞ってみても、第1回は今や『ヘタリア』で人気作家になった日丸屋秀和さんの『ずろうの棲処 前編』が、第8回は壮麗なファンタジー『リズベルルの魔』が、第10回は先日クラウドファンディングで100万円もの資金調達に成功した「国シリーズ」の第二作目『キリンの国』が、それぞれ最優秀賞を獲得しています。

【参考記事】良作(間違いなしの)ノベルゲーム『ハルカの国』がクラウドファンディングに挑戦、そして即達成!

 ちなみに私は第1回で審査員特別賞というのをいただいたことがあり、何かと感慨深いものがあります。

 

 さてこの数日、Twitterではフリーゲームの今後について、いささか悲観的な意見が見られるようになりました。
 すなわち、完全な趣味の世界であるフリーゲームであっても――

「クオリティ(主に見た目の)が重視されるようになった」
「総合的には拙くてもシナリオに力を入れた、そんな作品が埋もれるようになった」

 というような意見です。
 こういった意見は最近出てきたものではなく、少なくとも数年前からあったように思いますが、アマチュアにとって一種の晴れ舞台だったふりーむ!ゲームコンテストの終了が、あらためてこの問題を浮き彫りにしたのかなと思います。


 アマチュアの拙くも微笑ましい作品が、やがてプロやセミプロが参入するハイクオリティの影に隠れてしまう。フリーゲームに限らず有料のインディーゲームでも見られる現象ですし、ゲーム以外でもボーカロイドやVtuberなどが辿っている道です。
 インターネットとスマートフォンの発達に伴い、世のコンテンツは基本無料が当然になりました。同時に各種ツールの発展が、多くのクリエイターと作品を生み出しました。そうなると可処分時間の限られる受け手側が「もっと第一印象のいいものを」「もっと全体的にハイクオリティを」となるのは避けられません。競争によって品質が向上することは、もちろん本来好ましいことなのですが……。

 誰がなんと言おうと、好きに活動すればいい。とはいえ、多くの人に見てもらいたいという欲求は決して手放せません。
 そんなアマチュア創作の世界で、いま求められるものは何でしょうか。

 それは「優しさ」ではないかと思います。

 もしあなたが自分の作品を見てもらいたいと思うなら。
 同じように見てもらいたいと思っているアマチュアの作品を見て、プレイして、感想を届けてあげてください。
 ほんのちょっと、自分と同じ立場の人を思いやって、寄り添ってみましょう。

 たくさんのクリエイターと作品が生まれて、それが過当競争をも生み出していることは確かです。
 しかし逆転の発想をしてみましょう。同じ気持ちのクリエイターがたくさんいるということです。
 もしみんなが、自分の創作や趣味の時間を少し削り、他者のために使うという優しさを持ったなら……想像以上の広がりになると思いませんか?

 隗より始めよ、という言葉があります。身近なことから始めよう、言い出した者から始めようという中国の故事です。
 誰かの感想を辛抱強く待つ。宣伝に力を入れてみる。それもいいですが、自分が誰かに感想を届けるという選択肢も知ってほしい。
 クリエイターは例外なく、最初は一プレイヤーでした。できないことはないはずです。
 1週間に一度だけでも。なんなら1ヶ月に一度でもいい。テーマや設定で気になる作品があったら、プレイしてみてください(もちろん見た目で惹かれた作品でもいいです)。
 作者に直接感想を言ったり、ブログに長文を書くのは苦手だ、という人は、Twitterでちょこっとつぶやくだけでもかまわないでしょう。だいたいみんなエゴサーチしています。そうして自分の作品の感想を見つけたときの嬉しさたるや、計り知れないものがあるのです。

 私はここ数年、生活と仕事に追われ、20代の頃のようにはフリーノベルゲームをプレイできていませんでした。
 しかし今は、ちょっと余裕ができました。だからこそ自分の原点であるフリーノベルゲームの世界を少しでも盛り上げるために、意識的にプレイしようと思っています。

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