Arai Koh's Create Life

シナリオライター&ゲームライター・アライコウのブログ。創作、新旧の商業・インディーノベルゲームなどについて書きます。

アドベンチャーゲーム制作ツール、その源流を辿る

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 ノベル・アドベンチャーゲームの歴史を考える上で、制作ツールの存在は非常に重要です。

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 以前の記事で、制作ツールの“元祖”として1986年の「アドベンチャー・ツクール」を挙げたことがありました。
 これが掲載されているログイン1987年1月号はまだ入手できていないのですが、ライターでアドベンチャーゲーム研究家のなべやき/福山幸司さん(@fukuyaman)のツイートを引用させていただくと、なかなか興味深いことがわかります。

「世界で一番簡単な」と銘打っていたのがミソですね。
 私も最近知ったわけですが、実際には「アドベンチャー・ツクール」以前にも、アドベンチャーゲーム制作ツールというものは存在していました。なべやきさんによれば、海外では1980年からあり、日本でも1983年頃から登場していました。私もそれを示す資料を先日入手したのでご紹介します。

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 ログイン1983年10月号の「標準BASIC アドベンチャーゲーム開発ツール」です。アドベンチャーゲーム制作連載の第3回、その付録という位置づけになっています。みんなアドベンチャーゲーム作って楽しもうぜ! というムーブはこの頃からあったわけですね。

 見てのとおりプログラムの羅列で、プログラムなんかまったくわからない、という人がトライしてみるには、ちょっと難しそうな印象です。しかも「個人で利用するほかは著作権者の断りなしに使用できません」と注意書きもあったりして、いろんな意味で現在言うところのツールとはだいぶ違います。
 ただ「最低限ゲームっぽくなっているから、このテンプレートを参考にして自分なりのゲームを作ってみてね」という設計思想は何ら変わらないと言えるでしょう。
 そして記事の最後はこう結ばれています。

 アドベンチャーゲームで最も大変なゲームデザインに、とにかく専念してもらうために、プログラミングを簡略化してしまおう、というのが今回のツール開発の目的なのだ。
 さあ、キミのオリジナルを作ろう! LOG INソフトウェア・グランプリが待っているぞ!

 ちょうどこの号から、ログインソフトウェア・グランプリというコンテストの告知が始まっているのですが、このノリは現在のティラノゲームフェスなどとまったく変わりません。
 今も昔も、アドベンチャーゲームは比較的簡単に作ることができ、だからこそパソコン黎明期からこうしたツールも生まれていたわけです。

【続きの記事】これこそがツクールシリーズの元祖! 「アドベンチャー・ツクール」