Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

50歳のサラリーマンが一念発起して制作! アドベンチャーゲーム『二重人格マリエ』レビュー

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「モノを売るにはストーリーが必要である」

 制作やマーケティングに多少なりとも関わったことがあるなら、こういった方法論を耳にしたことがあるでしょう。
 あらゆる製品は、どんなに一生懸命作っても、ただ市場に置いただけではそうそう目に止まりません。ゲームクリエイターにとっても、作るよりむしろプレイしてもらうべく働きかけるほうが、よほど大変かもしれないのです。
 だからこそ作り手自身の持つ求心力あるストーリーが、時として絶大な効果をもたらします。

 先日App storeでリリースされた『二重人格マリエ』は、そのようなアプリでした。

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50歳の普通のサラリーマンが300万円かけてゲームアプリに挑戦した理由とAppストアランキング入りを達成するまで

 もうこのタイトルがすべて語っていますね。
 何かを始めるのに遅すぎるということはない――これもまたよく聞く言葉です。しかし実際に行動に移せる人はごくわずかでしょう。ゲーム制作となれば、いかに開発環境が便利になってきているとはいえ、覚えることがたくさんあります。
 しかしこの作者さんはまったくの初心者の状態から多くの資金と時間を投入して、完遂した。しかも50歳で! 同じゲームクリエイターとしてこれほど勇気をもらえるストーリーはそうそうありません。購入せずにはいられませんでした。
 ランキング入りしたのも、これを全面的にアピールした広報活動のたまものでしょう。実際、私のアプリより売れているはずです(笑)。

 

 さて、『二重人格マリエ』の肝心の内容に触れていきましょう。
 ちょっとさえない主人公の男性が、付き合っている彼女のマリエとデートする――というショートストーリーです。
 このマリエという女性、本当に二重人格なのではなく、そう思えるほどに激しい二面性があるということなのですが……。

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 詳しくはプレイしていただきたいですが、いやはや本当に何というか。この可愛いけど困ったところのある彼女と、これからも上手くやっていきたい、でも本当に大丈夫かなあ……というところで物語は終わります。すべての分岐を読むのに、20分もあれば十分でしょう。全体的にコミカルな作風で、主人公の苦労ぶりが笑えました。

 ところで本作、各種素材がほぼすべてオリジナルかつハイクオリティなのも見どころです。プロのイラストレーターによるキャラクター&背景画像、プロのミュージシャンの生演奏をレコーディング……と、たった20分のアドベンチャーゲームにここまで豪華なリソースをつぎ込んでいるところに、作者さんの情熱のほどが窺えました。

 宣伝文句である“キモチ変る心スッキリ”となるかどうかは、まあ人によるでしょう。ともあれ私は、いくつからでもノベル・アドベンチャーゲームは作れるのだという作者さん自身のストーリーに元気をもらえました。

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