Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

アパシーシリーズの佳作『アパシー レンタル家族』がフリーゲーム化

スポンサードリンク

同人誌、同人ゲーム、同人ソフトのダウンロードショップ - DLsite.com

 飯島多紀哉さんのサークル七転び八転がりは、これまでにさまざまな作品を世に送り出してきました。やはり人気があるのは『学校であった怖い話』関係の作品なのですが、そうでない作品もちらほらとあります。
 そのひとつが2008年リリースの『アパシー レンタル家族』で、このたびフリーゲーム化されました。

7korobi8korogari.stores.jp

f:id:araicreate:20181008204313j:plain

こちらは懐かしのパッケージ版。

 諸事情を抱えた家庭に家族を貸し出す「レンタル家族」というサービスが確立している現代。このレンタル家族を巡り、複数の主人公がそれぞれのドラマを展開させてゆく……という内容です。
 何と言ってもレンタル家族という設定が素晴らしく、同類の設定を採用している作品は他にもいくらか見受けられるのですが、複数の主人公で多彩な物語を見せていき、各キャラを絡ませるのは飯島さんならではというところです。すでに10年前にこれをやっていたわけです。

 実際にありえそうというシーンが連発されて、非常にリアリティに富んでいることがわかります。個人的に一番の好みは、単身赴任で東京までやってきた男性の話。切なさと優しさの同居するラストは格別です。
 全体的にハートフルですが、人間の醜い部分や情けない部分を描写すべきところで描写しており、それがリアリティを補強しています。エンディングを迎えると、いいドラマを読ませてもらったという充実感が湧くことでしょう。選択肢はなく、適度な長さで無駄なくまとまっています。

あまり遊ばれることのなかった可哀そうな子なんだけれど、出来のいい子なんです。

 飯島さんのブログによればあまり売れなかったそうですが、確かに派手さはないものの、プロとして長年の経験がある飯島さんの力がよくわかる作品です。むしろ万人受けするという点で、ナナコロ作品の中では一番おすすめできるかもしれません。