ノベルゲームってどうやって作ればいいの?
そう悩むクリエイターにとってのひとつの選択肢として、ハウツー本があります。小説の書き方や絵の描き方を教えてくれる本はたくさんありますが、ノベルゲーム制作のハウツー本も結構な数があるのです。
それらハウツー本の歴史を、数回に分けてまとめてみることにしました。1回目はツール編です。ノベルゲームを作るには、まずツールの使い方を覚えなくてはいけません。ウェブ上で無料で読めることも多いですが、本を見ながら作るほうがやりやすい人も多いでしょう。
ツクールシリーズ
Windowsが普及する以前より発売されていた『アドベンチャーツクール』は、シリーズが出るたびに解説書も発売されていました。ハウツー本の元祖はこれらになるでしょう。スーパーファミコンで出ていた『サウンドノベルツクール』も、公式ガイドブックが発売されています。今冬発売の『ラノゲツクールMV』のガイドブックは、はたして出るんでしょうか?
タイトル | 発売日 |
1992年3月 | |
1994年9月 | |
1995年11月 | |
1996年6月 | |
1997年9月 |
吉里吉里/KAG
2000年代に入って、圧倒的な支持を得たツールのひとつが吉里吉里/KAGです。この解説書もかなりの数が出ていました。中でも最初に出た『吉里吉里/KAGではじめるゲーム制作』は、名作ホラーノベルゲームの『1999ChristmasEve』がサンプルゲームとして収録されており、今でもこのためだけに手に取ってみる価値はあります。そのあたりのことについては以前に書いた記事をご覧ください。
タイトル | 発売日 |
2003年5月 | |
2006年5月 | |
2006年8月 | |
2006年9月 | |
2007年5月 | |
2010年6月 |
Nscripter
吉里吉里と並ぶ2大ツールのNscripter。最初に出たのはオフィシャルとつくだけあって、開発者の高橋直樹氏が公認&監修していました。改訂版が出たというのも珍しいですね。
タイトル | 発売日 |
2004年9月 | |
2005年7月 | |
2006年8月 | |
2007年12月 |
LemoNovel
それまでのツールと違い、ブラウザでプレイさせることを主眼に置いたLemoNovel。開発者自らが執筆しています。
タイトル | 発売日 |
2008年8月 |
ティラノスクリプト
今もっとも使用者を増やしているティラノスクリプト。去年出たばかりの解説書、こちらも開発者自らが執筆しています。
タイトル | 発売日 |
2016年8月 |
Unity
Unityをベースとしたツールの解説本もあります。今や右を見ても左を見てもUnity製のゲーム。この手の本は今後も出る可能性が高いですね。Unity使いの人は、選択肢として考えてもいいでしょう。
タイトル | 発売日 |
2016年3月 | |
2016年12月 |
その他のツール
『シナリオくん』というツールの解説書が2000年に出ています。ツクールシリーズを除くと、初のノベルゲーム制作ツールの解説書ということになりそうです。
イーフロンティアから発売された『らのべえ』を解説したのが『PCで簡単オリジナルゲーム制作』です。ただ、このツールはほとんどユーザー数がいなかったようで、知らない人がほとんどでしょう。
そして『XNovelでつくるiPhoneノベルゲーム』。私の出版デビュー作です。ePub形式で作り、iPhoneで表示させる。このシステムは実に画期的でした。誰でも手軽に作れて、スマホで遊べるように――その思想はAIR Novelに受け継がれています。
タイトル | 発売日 |
2000年12月 | |
2009年12月 | |
2011年3月 |
個人出版の解説書
商業本としてではなく、個人が同人誌や電子書籍でリリースしたものもあります。というか私自身も積極的にリリースしてきました。同人ショップやダウンロードサイトで確認できないだけで、これら以外にもあるかと思います。
タイトル | 発売日 |
2012年6月 | |
2012年12月 | |
2013年4月 | |
2014年1月 | |
2017年8月 |
次回はシナリオライティングの指南書を取り上げてみます。