Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

ゼロ年代インディーゲーム

伝説のFlashゲーム『こ~こはど~この箱庭じゃ?』がプレイできなくなる? それとも存続?

インターネットの隆興期を支えたWebサービス「Yahoo!ジオシティーズ」が2019年3月末をもって終了することは、大きなニュースになったのでご存じの方も多いと思います。 info-geocities.yahoo.co.jp 私も一番最初のサイトをジオシティーズで作ったので、いろ…

アパシーシリーズの佳作『アパシー レンタル家族』がフリーゲーム化

飯島多紀哉さんのサークル七転び八転がりは、これまでにさまざまな作品を世に送り出してきました。やはり人気があるのは『学校であった怖い話』関係の作品なのですが、そうでない作品もちらほらとあります。 そのひとつが2008年リリースの『アパシー レンタ…

考察系SFアドベンチャーの良作『MYTH』の新作が10年ぶりに登場

今から10年前、2008年は今思えば同人ノベルゲームがもっとも盛り上がっていた時期だったかもしれません。ノベルゲームエンジンが成熟し、同人ゲームのレビュー・紹介サイトが多く健在で、PCゲーム自体がまだ今より元気がある頃で、何よりスマホゲームのよう…

名作短編フリーノベルゲーム『雪花 -きら-』公式サイトが久しぶりに更新。そして閉鎖告知

本当に、たまたまでした。私がニコニコチャンネルで運営している(もう全然更新してないのですが)フリーノベルゲームのレビューブログ「特選 ゼロ年代フリーAVGレビュー」をつらつらと見直していたのです。 そして、ある作品のサイトにアクセスしました。そ…

懐かしの診療所経営シミュレーション『Medical Manager』

私が美少女ゲームに興味を持ったのは2000年代初頭、大学生の頃です。まあ、18歳以上になった男子にとっては自然な流れですね。商業はLeafとKey(いわゆる葉鍵)の諸作品、同人は『月姫』が話題になっていた時期です。 ちょうどその頃パソコンとインターネッ…

杏ファンは必見、CLANNADの二次創作アドベンチャー『杏アフター』

今、CSのTBSチャンネルでアニメ版『CLANNAD』が放送されています。 www.tbs.co.jp 原作は一度もプレイしたことはないのですが、このアニメ版はとても楽しんで視聴していました。細かいところは忘れてしまったので、今でも新鮮な気持ちで見ることができていま…

未完成が一番残念だった同人ノベルゲーム『EDEN -最終戦争少女伝説-』

以前、未完成の同人ゲームが多いことについて書きました。 araicreate.hatenablog.com ふと思ったのですが、未完成に終わったことが一番残念だった作品は何か……。ほとんど悩むことなく、これに決まりました。 個人サークルLAST WHITEが開発していた『EDEN -…

美しきヴァンパイアとの対立。良質な女性向けファンタジーAVG『漆黒ノ月』

今までにプレイした女性向け同人アドベンチャーゲームの中で、一番好きなのは『時函』ですが、二番目はこちらの作品になります。 サークル水桜月(みかつき)が2009年にリリースした『漆黒ノ月』。女性向けという枠組みですが、乙女でもBLでもなく、一般向け…

著作権切れ小説をサウンドノベル化したらパクリと言われた件

フリーゲーム作家時代、私は著作権切れ小説を使ったサウンドノベル、その名も『名作サウンドノベルシリーズ』を制作していました。今もベクターで公開しています。 その小説はどこから手に入れるかというと、もちろん青空文庫からです。以前から主張している…

グロテスクなゲームをレビューしたら文句を言われた件

以前私はノベル・アドベンチャーゲームのレビューサイトを運営していました。作者の方たちからお礼のメッセージをいただいたりすると、ささやかな充実感があったりしたわけですが、時にはおかしな経験をすることもありました。 切っ先が、私の胸に沈んでゆく…

伝説のフリーホラーノベルゲーム『1999ChristmasEve』、その知られざるバージョン

今も多くのクリエイターに愛用されているノベル・アドベンチャーゲーム制作ツールの「吉里吉里2/KAG3」。私がはじめてノベルゲームを作ったときも、これを使わせてもらっていました。あの『Fate/stay night』に採用されたことでも知られています。 このツー…

特選 ゼロ年代フリーAVGレビュー

これまで主に有料の同人ゲームを取り上げてきましたが、もちろんフリーゲームのほうがプレイ経験は多いです。それで数年前、このようなブログを書いていたことがありました。 ch.nicovideo.jp 2000~2009年にリリースされたフリーのノベル・アドベンチャーゲ…

水仙の花言葉は? 空虚な現代人を描いた大ヒットフリーAVG『ナルキッソス』

フリーゲームからはじまり、ノベライズ、コミカライズ、コンシューマー化など次々と商業展開を果たす……クリエイターにとっては夢のような話ですが、こちらはその代表的な例でしょう。 個人サークルステージ☆ななからリリースされた『ナルキッソス』。 作者は…

虚淵玄が唯一作った同人ノベルゲーム『浄火の紋章』

オークションで高いお金を払ってでも手に入れたい……そう思い、実際に実行した唯一の同人ノベルゲームがこちらです。確か8,000円くらいで競り落としましたかね。 2003年、サークルEERGEDがリリースした『浄火の紋章』。帯のキャッチコピーにはこうあります。 …

フリーアドベンチャーゲームを作り続けて15年以上。感嘆の継続力

一作も世に出せず空中分解してしまう同人サークルが少なくない中、15年以上の長きにわたり、ひとりでアドベンチャーゲームを作り続けているクリエイターもいます。 ファンタジーアドベンチャー『アークサイド』。 学園ホラーアドベンチャー『学校七不思議』…

奈須きのこが大絶賛したFate二次創作ノベルゲーム『The Law of Contradiction』

同人ノベルゲームに多大な影響を与えたTYPE-MOONの『月姫』、そして『Fate/stay night』。これらの二次創作といえば、18禁かアクションなどの他ジャンルがほとんどで、本格的な物語性を持つ作品はほとんどありませんでした。ノベルゲームにするとなると、TYP…

白か黒か。その選択の果てに貴方は殉愛を知る――圧巻のビジュアルノベル『灰瞳に機す』

圧倒的物語力。それがこの『灰瞳に機す』という作品を端的に言い表す言葉だと、私は考えています。 殉愛ビジュアルノベルというジャンル名が示すように、その愛にいかに殉じるかという選択を突きつけられた少年の、あまりに悲壮な物語。白か黒か、たったひと…

魅惑のシルクロード。美と情熱の踊り子アドベンチャー『月と太陽のラクシャルキ』

まずはこのパッケージをご覧いただきましょう。 個人サークルAmbivalenceが2008年にリリースした『月と太陽のラクシャルキ』。どうですか、この魅惑的なおっぱい。 砂漠を股にかける交易商人のカリム・ラムル兄弟は、2年ぶりにジャンナ王国へ戻った。持ち帰…

同人ゲーム界に咲いた『ひまわり』。壮大なるSFアドベンチャー

2007年、同人ノベル・アドベンチャーゲームは07 Expansionの第二作『うみねこのなく頃に』や先日も記事にしたアパシーシリーズで盛り上がっていましたが、人知れずもうひとつの名作がその産声を上げていました。 サークルぶらんくのーとがリリースした『ひま…

鬼才・渡辺僚一現れり。大長編ビジュアルノベル『冬は幻の鏡』

ああ、これこそが同人だ。 何にも囚われない。人真似ではない。独自の世界を持つ物語。 そう思った数少ない作品のひとつがこちらです。 サークル半端マニアソフトが2003年にリリースした『冬は幻の鏡』。この作品を知ったきっかけは、さる大手レビューサイト…

小説版ファンも要チェック。ドラクエ二次創作の最高峰『星の聖杯』

ドラクエ11が大人気ですね。私はハードを持っていないこともあって、プレイしていません。というより、私のドラクエ履歴は7で止まってしまっています。ハードも買おうと思えば買えるんですが、この歳になると何十時間もRPGするというのが、どうにも難しいな…

まだ完成を待っている。戦闘的残酷ビジュアルノベル『ですろり』

同人ゲームが完成する割合。はたしてどれほどあるやら? もちろん統計などあるはずもないですが、二割にも満たないのではないかというのが私の印象です。完成させたことがあるだけで、もうすごいのです。胸を張って誇っていい。 さて、未完の作品の中にも傑…

月姫誕生前夜。その才能をひたすら信じた男

こんなまとめが話題になっていました。 togetter.com TYPE-MOONの創立者、奈須きのこと武内崇の両氏はいかにして出会い、『月姫』をリリースにこぎ着けたかが簡潔にまとめられています。 このまとめで言及されている月姫読本はもう絶版ですが、プレミアがつ…

『学校であった怖い話』復活から10年。ゲームクリエイター飯島多紀哉の今

ちょうど10年前の2007年夏、同人AVG愛好家として特に印象深い出来事がありました。 ゲームクリエイター・飯島健男の復活。 1980年代から第一線で活躍し、古くからのパソコンゲームユーザーには『ラストハルマゲドン』『BURAI』などで知られますが、私にとっ…

商業への飛躍。ギャングと歌姫が織りなす現代サスペンス『僕はキミだけを見つめる』

アマチュアクリエイターにとっての夢、それはやはり商業進出です。同人ノベル・アドベンチャーゲームの発展は業界関係者の注目を集め、数多くのサークルをメジャーの舞台に立たせました。その代表格はもちろんTYPE-MOON。『ひぐらしのなく頃に』の竜騎士07氏…

ゲームへのあくなきこだわり。熱き魔女っ子アドベンチャー『まじかるブリンガーころな』

ノベル・アドベンチャーゲームがゲームとは呼ばれていても、実際はテキストを読み進めていき、時には選択肢を選ぶだけのコンテンツであるのは、みなさんご承知のとおりです。 だからこのジャンルは「サウンドノベル」とか「ビジュアルノベル」とか呼ばれてい…

君への想いが、世界を壊す――超大作同人乙女ゲーム『時函 -Time Capsule-』

先日、レンタル倉庫から引き上げた同人ノベル・アドベンチャーゲームを整理すると書きました。要するに中古ショップに買い取りしてもらうということなのですが、中には10,000円以上もの査定が出たゲームもあってビックリ仰天です。今は商業に進出したブラン…

月姫フォロワーの中でひときわ輝いていた伝奇ノベル

同人ノベル・アドベンチャーゲームは、メジャーにはなりきれないまでも現在に至るまで多くの根強いプレイヤーと制作者を生み出しています。TYPE-MOONが2000年にリリースした『月姫』がその裾野を広げたことに異論を唱える人は少ないでしょう。もう原作をプレ…

商業リメイクも計画されていた良作同人サスペンス『ABYSS -殺人クラブ-』

コメントでリクエストがあったので、これまでに購入してきた同人ノベル・アドベンチャーゲームの中から忘れられないものを紹介していきます。今後、定期的なネタにするつもりです。 サークルFestivalから2009年にリリースされた『ABYSS -殺人クラブ-』。 な…

大ヒット作家・七月隆文氏が作ったギャルゲー『天使郷 -ヘブン-』

コミケが近いですね。同人ノベルゲームから創作者としての道を歩んできた私ですが、サークルとしても一般参加者としても、もう何年もコミケには足を運んでいません。正直、気候的にキツくなってしまったのです。 さて先日、レンタル倉庫に預けていた同人ゲー…