Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

それで結局、ノベルゲーム制作にはどのツールを使えばいいの?

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 先日、ノベルゲーム制作ツールの歴史をまとめました。

www.araicreate-blog.com

  調べていてさまざまなツールがあることを再認識した次第ですが、「ノベルゲーム制作をしてみたいけど、どのツールを使えばいいんだろう……」と悩む人は多いかと思います。
 しかし前提として「このツールでしかできないこと」というものは、あまりないでしょう。そんなに凝ったものを作るのでないのなら、どのツールを選んでも大差ないと私は思います。特にこれから初めてノベルゲームを作りたいという人は、

  • 解説サイトが充実している
  • 開発停止されていない

 この2点を条件として選んでみましょう。バージョンアップの頻度は高ければ高いほどよいでしょう。
 そして考えておきたいのは、

  • どのプラットフォームに向けてリリースするのか
  • 自分の開発環境はどうなっているか

 です。これらの点を踏まえて、どのツールがあなたに合っているか見てみましょう。

Windowsだけでいいという人

 マルチプラットフォーム対応のツールがかなり増えてきましたが、コスト諸々を考慮してWindows一本でリリースしているクリエイターは多い……というより今も多数派だと思います。
 かつて2大ツールを形成していたNscripter』『吉里吉里/KAG』、このふたつに次ぐ人気だった『Livemaker』は、3つとも無料の解説サイトが充実しています。習得難易度は

(低)Livemaker<Nscripter吉里吉里/KAG(高)

 という感じです。
 吉里吉里Zは本家の吉里吉里がずいぶん前に更新停止されたため、有志がリリースした改善版ですが、これも最終更新日が1年以上前というのがちょっと気になるところ。それでも圧倒的実績があるので、有力な選択肢には違いありません。

Windowsだけでなくスマホ対応もしたい人

 スマホ、つまりiOSAndroidへの対応は、プレイヤー数を増やしたいならぜひ検討したいところ。しかしスマホアプリのリリースはなかなか大変で、特にiOSは年間約1万円のデベロッパーアカウントを取得しなければならず、アプリのストア提出にもMac本体が必要です。すなわちWindowsユーザーにとってはコスト面で非常に厳しい。私はわざわざ中古でMacを買ったりしましたが、10万円はかかりましたね。実機でのデバッグも欠かせませんし、スマホ対応は基本的に余裕のある人がやるべきことと言えます。

『Artemis Engine』はどこよりも早くスマホ対応を打ち出した先駆者で、商業・インディーともにスマホアプリ採用の実績は圧倒的です。不特定多数に対する一般公開は行われておらず、使用するには開発者に直接連絡する必要があります。

『LemoNovel』『AIRNovel』Adobe AIRを利用することでスマホアプリとしてリリースできます。ネット上の解説が充実しているのはAIRNovelのほうですが、LemoNovelは私がPDF形式の解説書をリリースしているので、よろしければどうぞ。

『ADV+++』はちょっと特殊で、スマホアプリをリリースする場合は

  1. 開発元をパブリッシャーとしてリリースする
  2. 開発元にアプリをビルドしてもらい、自分のアカウントでリリースする

 の2通りのプランがあります。前者は売上を折半する形になり、その代わり開発者用のアカウント取得や審査など、ストア関係のややこしい手続きから解放されるメリットがあります。私もこの形式でスマホアプリをリリースして、なかなかいい結果を出せています。後者はそれなりの予算が必要になるでしょう。習得難易度は少し高めという実感で、解説サイトは残念ながら見当たらないのですが、こちらも私がPDF形式の解説書をリリースしているので、よろしければどうぞ。ちょっと内容が古くなっていますが、近日第二版に差し替える予定です。

『ティラノスクリプト』『ティラノビルダー』は、今もっとも利用者を増加させているツールです。解説やリファレンスの充実ぶりには目を見張るものがあり、アップデートの頻度も高めなのが嬉しいところです。

 以上のツールは、もちろんWindowsのみでリリースするつもりの人にとっても有用です。

ブラウザでもプレイさせたいという人

 HTML5の浸透により、PC&スマホのブラウザでのプレイも盛んになりました。

 ティラノスクリプトとティラノビルダーは、もともとはブラウザでのプレイを主眼としたものでした。現在は「ノベルゲームコレクション」というサイトが運営されていて、ウェブサイトの運営経験がない人でも気軽にリリースできるようになりました。

『Light.vn』は日本語のスクリプトを基盤とし、とても理解しやすいのが特徴です。リアルタイムプレビュー機能を備えた専用エディターでテストプレイもしやすく、これからが期待できるツールのひとつです。

『ラノゲツクールMV』は今冬リリースされる予定のツクールシリーズ最新作です。RPGアツマール同様に、ニコニコ動画内でプレイできるようになることが予想されます。自分のサイトでリリースするよりも多くのプレイヤーを獲得できるかもしれません。

  なおLemoNovelとAIRNovelはAdobeFlashで動作させることができるのですが、Flashは2020年にサポートを終了することを発表しているので、今後はブラウザゲームとしての活躍は難しそうです。

普段Unityを使っている人

 他のジャンルのゲームをUnityで作った経験があり、これからノベルゲームにも挑戦したいという人は、せっかくですのでその開発環境を有効活用しましょう。

ジョーカースクリプトはティラノスクリプト&ティラノビルダーと同じ開発者によるツールです。あらゆるプラットフォームへの対応をしており制作者に優しい作りなのは、もちろん変わりがありません。

『宴』はエクセルファイルでシナリオを書いていくという特徴があり、言語データの列を追加するだけで簡単に多言語対応できます。その他、便利な機能がデフォルトで実装されています。

 

 いかがでしょうか。まずは誰に向けてリリースしたいのかを明確にして、それから開発に取り組んでみてください。