Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

ノベルゲーム実況の面白さの本質とは

 今やインディーゲーム、とりわけフリーゲームは実況と切っても切り離せない関係です。実況動画がきっかけでその名を一躍広めたゲームもあり、『青鬼』がその代表でしょうか。

 さて、実況動画の何が面白いかというと、何よりもプレイヤーのリアクションでしょう。『青鬼』で言うと、絶叫。とにかくこれが面白かった。私も大笑いしました。
 余談ですが、将棋の世界ではプロの対局をメインに楽しむ人たちを観る将棋ファン、略して「観る将」と呼びます。観る将が将棋の生中継で何を楽しんでいるかといえば、対局はもちろんですが、対局者の仕草や解説者の雑談、果ては出前のメニューまでも含まれます。要はゲームの内容だけでなく、人の言動をこそ楽しんでいるというわけです。

 アクション、RPG、シューティング、パズル……ジャンル毎に実況動画の面白ポイントは異なると思います。焦って失敗しての嘆きだったり、体力ギリギリでクリアしての喜びだったり。いずれにしても実況者のリアクションが動画の楽しさに直結しています。

 ではノベルゲームはどうか?

 ノベルゲームというジャンルの特性上、プレイ内容に大差はありません。やりこみ要素とかスーパーテクニックとかは存在せず、成功も失敗もなく、物語を読んでいくだけ。だからプレイによる差別化を図りづらい。そんなのを実況して面白いのか? と疑問の方は少なくないと思います。

 

 結論からいえば、面白い。

 

 そもそも「物語を他人に読んでもらう」ことは、不思議でも不自然でもないんですよね。誰もが幼い頃、親に絵本を読んでもらったことがあるはず。紙芝居や朗読劇、あるいは講談や落語も「物語を読み上げる」という点でノベルゲーム実況と大きな違いはありません。

 

 物語の面白さ、それ以上に語り口の面白さ。それこそがノベルゲーム実況の面白さです。


 稲川淳二さんの怪談ライブがなぜ人気かって、独特の口調と卓越した雰囲気作りですよね。だからノベルゲーム実況も単に表示されるテキストを音読するのではなく、随所で雰囲気を変えたり、唐突にボヤキを入れたりするほうが面白いわけです。

 実は私もフリーゲームを実況されたことがありましたが、ずいぶん再生数が多くて驚きました。それもそのはず、『青鬼』を実況したグループだったんですね。手前味噌で恐縮ですが、ダウンロードしてプレイするよりも、こちらの動画を見るほうが面白いと思います。やっぱり人気の実況者にはそれだけの理由があるんだなと。