Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

美しきヴァンパイアとの対立。良質な女性向けファンタジーAVG

 今までにプレイした女性向け同人アドベンチャーゲームの中で、一番好きなのは『時函』ですが、二番目はこちらの作品になります。

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 サークル水桜月(みかつき)が2009年にリリースした『漆黒ノ月』。女性向けという枠組みですが、乙女でもBLでもなく、一般向けに近い作風です。

 舞台は中央大陸フォーリアのシルヴェリア皇国。若き少年鏡皇アリスは、補佐役と友人に恵まれ、しかしろくに世界を知らないまま日々を過ごしている。そんな中、街では鏡団の敵であるヴァンパイアの暗躍が噂されていた。ある夜、無防備にも外出したアリスはヴァンパイアに遭遇してしまう――と、中世のカトリック国がモチーフで、誰もが手を出しやすい安心設定です。

 アリスは人間とヴァンパイアの対立に直面し、殺し合う以外の道を見いだせないかと、全ルートを通じて苦悩します。そのわりにやけに行動が軽率で危なっかしいのですが、まだまだ子供なので、あまり計算尽くで思慮深いよりはいいのかなとも思ったり。純粋だからこそ周囲に囚われず、目的のために邁進するアリスは、女性にとって庇護欲をそそられる……のかも。
 もちろんそれだけじゃなく、鏡皇としての強い自覚に目覚めて、成長も垣間見えます。あまり奇をてらわないシナリオですが、ベストエンディングはとても爽やかなものがありました。

 さて、本作の一番の見どころは何かといえば、ヴァンパイアの始祖「黒耀」を挙げたいです。その高貴なたたずまいは黒耀様と言わざるを得ません。あと、たいそう胸の谷間がお美しい。女性向けはプレイしたことがないという男性諸氏も、彼女を見る、いや拝むためにプレイする価値があります。パッケージ版は入手困難ですが、ダウンロードサイトでは今も絶賛販売中です。