Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

妹は何度でも死ぬ。戦慄のデスゲーム

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『親愛なる孤独と苦悩へ』のレビュー記事は多くの人に見ていただけました。この記事がきっかけでプレイした、感動した、泣けた……そんな人が増えてくれればいいなと思っています。

araicreate.hatenablog.com

 今回は彼の前作となる『REVIVAL RESET』のレビューです。こちらはDMM.comDLsite.comSteamでリリースされています。特にSteam、日本語版オンリーとはいえ、慣れない英語と格闘し海外市場に打って出た彼の決断には敬意を表します。

愛知県名古屋市中心部。夏休みに入ろうかという7月のある日、極度の人見知りから孤独で陰鬱な高校生活を送る、瀧瀬結真(たきせゆうま)は謎の生物ベルブと出会う。
宙に浮く、壁をすり抜ける、突如として物を出現させる……ヘンテコな力を平然と見せつけるベルブは結真に対し、とあるゲームソフトを探して欲しいと言うのだった。
そのゲームソフトの内容とは――。

 単刀直入に言ってしまうと、ソードアート・オンラインに代表されるデスゲーム系の物語です。しかしこの作品がちょっと違うのは、ゲームの中に閉じ込められるのは主人公の妹とクラスメイトのみ。主人公は彼女たちを現実世界から操作してクリアを目指していきます。そして最大の特徴は、ゲーム内でやられてもリセットし、なかったことにできるということ。
 それじゃ緊張感も何もないんじゃないの? と思われるかもしれませんが、さにあらず。ゲーム内で死ぬと、主人公の傍らで肉体を残して眠り続ける彼女たちは、無惨な死体に成り果てる……。この設定が上手いと思いましたね。

 ゲームの作者(すべての元凶)であるベルブは「リセットできるんだからいいだろ?」と考えているわけですが、その人間とはまったく異なる価値観に結真は恐怖し、緊張感が私たちプレイヤーにも伝わってくるわけです。何度も妹の哀れな姿を見せつけられる中盤以降の盛り上がりは尋常ではありません。あ、残酷なCGはないのでそういうのが苦手な人は安心してください。

 やがて、まさに「どうあがいても絶望」な局面に至ります。どうやって解決するのかと思っていましたが、ここで作者は非常に巧妙なシステム上の仕掛けを用意していました。この真エンドへの入り方、正直まったくわからなかったので他のサイトに書かれていた答えを見てしまいました(笑)。悩む人が相当に多いと思うので、どうしてもわからない人はコメント欄でご連絡ください。

 そしてラスボス戦で、盛り上がりは最高潮に達します。RPGの戦闘をノベルゲームで、テキストで表現する……相当難易度の高いことですが、作者は見事にやり遂げました。

 

 多少の粗が見られたり、一部の謎が残ったままだったりしますが、中盤以降のシナリオの勢いには目を見張るものがあります。これが『親愛なる孤独と苦悩へ』でさらに昇華されたのかと思うと、感慨深いものがありますね。本当に彼は優れたシナリオライターだった。こんなにも面白いなら、もっと早くにレビューするべきでした。

 ただ本作にはもう一点、取り上げたいことがあります。それについてはまた次回に。