Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

フリーアドベンチャーゲームを作り続けて15年以上。感嘆の継続力

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 一作も世に出せず空中分解してしまう同人サークルが少なくない中、15年以上の長きにわたり、ひとりでアドベンチャーゲームを作り続けているクリエイターもいます。

 ファンタジーアドベンチャー『アークサイド』。
 学園ホラーアドベンチャー『学校七不思議』。
 ゴシックホラーアドベンチャー『EMPTY DREAM』。

 これら3シリーズを無料でリリースし続けている、個人サークル銀の剣。2017年8月現在、総制作数はおよそ30にも及びます。
 最初の作品が2000年のリリースですから、赤ん坊が産まれて高校生になるくらいの時間ですね。私は当時、パソコンを知ったばかりの大学生でしたが、今やすっかりおじさんであります。もちろん今と比べれば、まだまだフリー・同人のノベル・アドベンチャーゲームが少ない時代。その中で、このサークルの作品の遊びやすさはオーソドックスなテーマも相まって、群を抜いていたと思います。ダウンロード数が一番多いのは『学校七不思議』でしょう。いつでもホラーは人気ジャンルです。
 いずれのシリーズも好きですが、私の一番の好みは『EMPTY DREAM』ですね。

 主人公のラルクは永遠の刻を生きる吸血鬼。停滞を嫌い、いつもあてのない旅を続けている――と、彼が旅先で遭遇する事件を描くシリーズ。昔懐かしのコマンド選択型というのも、我々世代にとっては嬉しいものです。
 感情移入させるためにAVGの主人公は平凡が良しとされているのですが、ラルクは男でも目の眩む容姿と比類なき魔力を持ち、基本的に冷淡というキャラ設定です。なのでほとんど隙がないのですが、読んでいて嫌味を覚えることがありません。
 異母弟であり人間味ある吸血鬼のカイルと、彼につくキャットウーマンのケイに心ならずもしばしば介入され、完璧さを崩しているのが大きいです。そしてラルクは人間の娘と恋に落ち、非業の別れを遂げたという過去を持っています。こうした完璧の中に垣間見える暖かみや弱点が、ラルクのキャラクターに大きく貢献しているわけです。

 このサークルは有料作品を頒布したこともありました。

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 写真は2003年リリースのCD-ROM版『EMPTY DREAM - Criminal Memory』の通販特典冊子、そして2005年リリースの『学校七不思議』ドラマCDです。これを2つとも持っている人、はたしてどれほどいるやら?
【訂正】ドラマCDは別の団体の発行でした。

 特に前者は通販スタートしたその日に作者に申し込みメールしたのを覚えています。同人ショップを利用したことはありますが、作者個人に同人ゲームの通販申し込みをしたのは、確かこれが初めてでした。
 肝心のCDはあいにく手放してしまったのですが、現在は解像度やシステムを修正したものがダウンロード販売されています。

Criminal Memory

 吸血鬼好き、コマンド選択型が好きな人は、まずフリー作品からぜひプレイしてみてください。