Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

『ゲーム』へのあくなきこだわり。熱き魔女っ子アドベンチャー

 ノベル・アドベンチャーゲームがゲームとは呼ばれていても、実際はテキストを読み進めていき、時には選択肢を選ぶだけのコンテンツであるのは、みなさんご承知のとおりです。
 だからこのジャンルは「サウンドノベル」とか「ビジュアルノベル」とか呼ばれているわけですが、それでもクリエイターたちは、何とかしてゲーム性を取り入れようと考え抜いてきました。フラグを複雑にしてみたり、RPGのようなバトルシステムを盛り込んだり。しかしゲーム性が高いと評価されるようなものには、そうそうお目にかかれません。
 そんな中、2005年。非常に優れたゲームシステムを搭載した同人ゲームが登場しました。

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  個人サークルさんだーぼるとがリリースした『まじかるブリンガーころな』。90年代初頭の日曜アニメの味わいを醸し出す魔女っ子アドベンチャーです。写真は第二作で、第一作はダウンロードサイトで購入していた関係で、パッケージが手元にありません。そのダウンロードサイトもなくなってしまったため、もうプレイすることができないのが残念。
 魔法少女を目指す主人公・佐倉頃奈は魔剣と契約し念願の魔法を得たが、魔剣を狙う魔族たちに次々と襲撃されてしまうという、とてもわかりやすいストーリーです。シンプルながら愛・友情・涙と三拍子揃っていましたね。
 本作の肝となるのがT2(タイミングタイピング)と銘打ったバトルシステムです。画面上を移動するカーソルに合わせて矢印キーを押し、攻撃したり防御したりします。カーソルは左右からやってきたりランダムな速さだったりで プレイヤーは常に楽しさと緊張を強いられます。ラスボス戦などはとにかく苦労しましたが、クリアできたときの喜びはひとしおでした。
 あと劇場版では、本編クリア後にウィザードリィライクなダンジョンRPGをプレイできます。本編とは別の作品をまるごと作ってしまったようなもので、とにかく『ゲーム』に対するこだわりがすごかった。

 作者のinsider氏は、現在は美少女ゲームのプランナー&シナリオライターとして活躍しています。代表作は『LOVELY×CATION』。今時ほとんど見られない、アイテムを収集してパラメーターを上げていくというSLG要素を取り入れた恋愛アドベンチャーです。ただの読み物には絶対にしないという信念を、現在に至るまで持っておられるようです。キャラクターの可愛さはもとより、プレイヤーの名前を呼んでもらえる『ラブリーコール』システムが人気を博し、近年屈指の大ヒットシリーズとなっています。