Arai Koh's Create Life

シナリオライター・アライコウのブログ。創作、新旧のインディーゲームなどについて書きます。

商業リメイクの叶わなかった、とある同人サスペンス

 コメントでリクエストがあったので、これまでに購入してきた同人ノベル・アドベンチャーゲームの中から忘れられないものを紹介していきます。今後、定期的なネタにするつもりです。

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 サークルFestivalから2009年にリリースされた『ABYSS -殺人クラブ-』。
 なぜこの作品に思い入れがあるかというと、私が近年スマホ・Steam向けにリメイクしたノベルゲーム『魔法使いの見た夢』(初出は2006年)と同じ原画家さんを登用しているからなんですね。こちらの作業が終わったあと、制作当初からの原画担当が降板していた『ABYSS -殺人クラブ-』に参加した、そんな経緯だったと記憶しています。

 最初の体験版が出たのは2005年頃でしたか。「ABYSS」という殺人集団が繰り広げる惨劇に、元暗殺者の主人公が巻き込まれていく――このエッジが効いたプロットに、体験版の時から大注目していました。ついにリリースされたときは、それはもう喜んだものです。BGMも素晴らしく、特にオープニングテーマが、これ以上ないほど世界観を表現していて。
 実はこの作品、最近になってちょっとした動きがあり一部で話題となりました。

 

運命のリヴァケイル ~落ちこぼれの元暗殺者は殺人クラブに狙われている~
小説家になろう
カクヨム

 

 商業ゲームとしてリメイクが計画されていましたが、諸事情により世に出せなくなったので、せめてシナリオだけでもと、無料で公開されました。「よっ、この太っ腹!」とは素直に言えませんよね。特にシナリオライターさんの無念たるや、いかばかりか。面白い面白くない以前の理由でリリースできないことがあるのが、商業作品の難しいところです。

 だったらリメイク前のでいいからプレイしたい! そういう方に朗報です。今でも同人ダウンロードサイトで販売されています。

ABYSS—殺人クラブ—

※リンク先は18禁です。

 後半ちょっと失速したかな……という印象でしたが、序中盤のスピーディーなサスペンスは今も色あせません。シナリオの完成度としては、おそらく上記の無料公開版のほうが上なのでしょう。しかしこちらには多彩なグラフィックと良質なBGMがあります。オリジナルサウンドトラックのほうも、ぜひご一緒に。